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プラント建設へ メタンガスを地産地消 JA阿寒酪農家ら 家畜ふん尿で生成

2019.11.14

釧路管内JA阿寒の酪農家が組織する釧路市有機質肥料活用センター利用運営協議会は、バイオガスによる再生エネルギーの域内循環を進めている。同JAがプラントを建設。家畜ふん尿を原料に生成したメタンガスを牛舎や農業用ビニールハウスなどに利用する。メタンガスを使ったエネルギーの地産地消は全国でも例がなく、売電とは異なる活用法に注目が集まっている。/ 同市2地区18戸の酪農家が組織・運営する同協議会の堆肥センターにプラントを併設した。センターの施設や機械など老朽化による費用負担を回避しようと、当初は売電を視野に計画。だが、電力の買い取り制限で、ガスの域内循環に設計変更した。

日量約130トンの家畜ふん尿の処理が可能。釧路市新野地区に立ち上げる。完成は2020年2月を予定する。メタン菌の生成などに数カ月かかり、同年夏の本格稼働を目指す。事業費は約12億円。国の補助金4億円を活用した。

プラントは同協議会に賃貸する。協議会は会員にメタンガスやガスの発生後に残る消化液、再生敷料を販売することで費用を賄う。生成するガスの8割は、会員で年間約8000トンの生乳を生産するメガファーム仁成牧場に販売する。 同牧場は牛舎などへ供給し、バナナを栽培するビニールハウスの保温に活用する。

3000立方メートルのメタン発酵槽に原料を投入。日量1900立方メートルのメタンガスを発生させる。一世帯当たりの都市ガス年間消費量は220立方メートル。

JAの田中義幸参事は「売電が難しく、家畜ふん尿によるエネルギーの域内循環を選んだ」と新たなモデルとなる取り組みに意欲を示す。加えて、下徹別地区ではJAが出資する酪農法人、天翔阿寒でのバイオガスプラント建設も視野に入れる。

掲載日:2019/10/09(水)  掲載元:日本農業新聞 朝刊 ワイド2北海道