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園児と保育士 バケツ稲栽培 札幌市・青葉興正保育園

2020.03.17

札幌市の青葉興正保育園は、バケツ稲の栽培を園児の新たな学びにつなげている。育てて収穫、食べるまでを実施。観察するだけでなく生産者の苦労や感謝の気持ちを伝える場にした。「子どもたちは新しいことを覚え、興味を深めた」。園児と取り組んだ保育士の伊藤知栄子さんと谷脇文佳さんは思いを深める。/ バケツ稲は2018年から始まった。昨年は年長クラス(5、6歳)の27人が取り組んだ。2人とも稲づくりは初体験。谷脇さんは「育てる大変さや食べ物の大切さを知ってもらいたかった」と振り返る。JA北海道中央会元職員で、子どもに農業体験を指導する宮本隆さんが先生役を務めた。園児は3人でバケツ1個で「ゆめぴりか」を育てた。

5月に苗を植えた。バケツ稲は園児の目の届く所に置いた。稲の様子を見て水をやるなど、園児が自主的に行う環境をつくった。園児は稲が実るとかかしづくりなど、新しいことに興味を持つようになった。

稲の花の観察会や稲刈り、はさがけ、脱穀、精米。園児は節目ごとに観察日記を書いた。絵と一緒に、気付いたことや率直な思いを文章にした。育てるとともに、「自分の考えを表現できるようにする」(伊藤さん)のが狙いだった。

しめ縄は色を付けてクリスマスの飾り付けにした。2人が「しめ縄で何かできることはないか」と相談し、工夫を凝らした。「稲わらを活用し、新しいものができることも分かった」と話す。

2月上旬、バケツで育てた「ゆめぴりか」の稲づくり体験の集大成として精米を鍋で炊いた。伊藤さんらは農家の苦労などを話し、ご飯を盛った皿を手に取り、まず園児に香りを感じてもらい味わった。「おいしいでしょう」という伊藤さんらの呼び掛けに、園児は笑顔で応えた。

伊藤さんは「土に触れるのは癒やされる。子どもと感じたことを話し、良い思い出となった。実際は広い水田で稲を作っていることを見せてあげたい」と話す。谷脇さんは「良い経験になった。年中クラスの子どもも興味を持っている」と手応えを感じている。

渡邊洋平園長は「すてきな取り組み。保育する側も勉強になり、意味は大きい」と期待する。

掲載日:2020/02/20(木) 日本農業新聞 朝刊 ワイド2北海道