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海道標茶高校 鹿肉加工し獣害解決「罠ガール」

2020.05.26

北海道標茶町の標茶高校の食品ゼミ鹿班は学内に現れる鹿を自作の囲いわなやくくりわなで捕獲し、肉や内臓、皮、骨など丸ごと有効活用する。肉や皮を加工して販売することで、町内のジビエ(野生鳥獣の肉)振興にも力を入れる。標茶町役場や道内外の企業、猟友会、プロの猟師などと連携する。同班は昨年度、3年生を中心に女性8人で構成。「罠(わな)ガール」として、獣害の解決と鹿肉の特産化を目指す。/ 同班は2018年から鹿の肉や皮を加工・販売し、19年に捕獲も始めた。同町のエゾシカによる農作物への被害額は18年度は2億8300万円に上り、校内で育てるカボチャや牧草、トウモロコシなども被害を受け駆除が課題だった。

そのため、鉄パイプや鉄格子で囲いわなを製作して学内に設置。学外では猟友会や行政の協力で箱わなやくくりわなの仕組み、具体的な設置方法を学んだ。村上颯葵さん(18)は道の高校生で初となるわな猟免許を取得した。

鹿の嗜好(しこう)性や行動習性を基に校内の林にバネ式くくりわなを設置。地元の米店や酪農家から提供を受けた米ぬかや配合飼料をまき餌として使い、鹿1頭の捕獲に成功した。とどめ刺しは地元猟友会メンバーが行った。新3年生の葦名愛梨さん(17)は「プロの教えは新鮮で役立った」と振り返る。村上さんは「銃猟免許の取得を目指し、後輩の活動に協力して止め刺しも行いたい」と意気込む。

[[食材・革製品余さず活用]] 解体処理は町内企業に依頼した。心臓や肺など臓器は専門家の指導の下でドッグフードに加工。食肉はスープカレーの具にする他、校内の食肉加工施設でミンチジャーキーにする。皮は生徒らがコインケースなどを作り、地元のイベントで販売する。今後、地元飲食店などと連携し、メニュー開発を進め、ジビエの地産地消の土台を作りたい考えだ。森田実里さん(18)は「エゾジカの生きていた時間を無駄にしないよう、全ての部位を活用したい」と話す。

佐伯心さん(18)は「一人でも多くわな猟免許を取り、いろいろな人と協力し頑張ってほしい」と後輩にエールを送る。担当した山崎直也教諭は「ジビエの活用を考えるだけでなく、命のありがたみを理解し他の人にも伝えていける人材に育ってほしい」と話す。

掲載日:2020/ 04/ 05(日) 日本農業新聞 朝刊 若者