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様変わり牛乳月間 感謝合言葉に共感の輪

2020.07.17

6月は「牛乳月間」だが、今年は新型コロナウイルス禍で様変わりした。健康意識が高まり、改めて酪農と国産牛乳・乳製品の価値、役割への理解が広がっている。キーワードは、生産者・消費者互いへの「感謝」。これまで以上に創意工夫ある情報発信に力を入れたい。 

コロナ禍で全国の生乳需給は混乱が続く。特に、今春以降の学校給食向け牛乳の出荷停止で、大産地の北海道を中心に、処理できない生乳の発生の懸念が高まった。改めて指定生乳生産者団体の需給調整機能の大切さを裏付けた。

こうした中での今回の「牛乳月間」は、これまでにない展開が迫られている。世界各国では都市封鎖などに伴い、行き場を失った生乳の廃棄が相次いだ。フランスなど欧米では一時的に減産にも踏み切った。Jミルクは、国際酪農連盟が発した「コロナ禍で酪農家が生乳を廃棄しなければならない理由」なども日本語訳で紹介し、国際的な酪農動向を伝えている。 

酪農、乳業関係者を勇気づけるデータがある。4月中旬の食生活動向調査(Jミルク調べ)で、毎日牛乳を飲む層の約25%が半年前はほとんど飲んでいなかったことが分かった。10代から20代の若い女性層で目立つ。

6月1日は国際的な催しである「牛乳の日」、そして日本では6月の1カ月を「牛乳月間」と位置付けて毎年、さまざまな取り組みを行ってきた。街頭での消費拡大などは一定の制限がある。そこで今回、例年以上に力を入れるのはインターネット交流サイト(SNS)を有効活用した酪農、牛乳・乳製品のアピールだ。テレワークの浸透などインターネットを駆使した情報伝達が広がる中で、時宜を得た取り組みと言えよう。 

コロナ禍で食生活も大きく変化してきた。特に中食や家庭内消費が増えつつある。そこでJミルクは、牛乳と冷凍食品を組み合わせて電子レンジを使い自宅で作れ、おいしく栄養バランスも良い簡単レシピも数多く提案している。先のデータを踏まえ、新たに牛乳ファンとなってきた若い女性層をどう定着させるのかも大きな課題だ。 

牛乳月間でのSNS作戦のキーワードは「感謝」。コロナ禍でも国内で処理不可能乳の発生を防げたのは、さまざまな人々の応援があったからだ。消費者などへの「ありがとう」のメッセージを添えた発信を進めている。酪農・乳業界から既に多くの投稿がある。Jミルクのホームページから閲覧できる。

また、中央酪農会議は消費者向け冊子「ミルククラブ」特別版で牛乳月間と絡め、コロナ禍でも奮闘する酪農家と指定団体の姿を伝えた。JA全農は意見広告で「今朝の一杯をお届けするのに、3年かかりました。」のメッセージを掲げ、酪農家の実態を訴えている。「感謝」をキーワードに、官民挙げた取り組みは国内酪農への共感の輪を広げるはずだ。

掲載日:2020/ 06/ 09(火) 日本農業新聞 朝刊 ワイド1北海道