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再エネ 地産地消 災害に強い町めざす JA士幌町

2020.09.15

十勝管内JA士幌町は、7月に日本協同組合連携機構(JCA)などがインターネット上で開いた「第98回国際協同組合デー記念中央集会」で、再生可能エネルギーの活用などについて報告した。JAはバイオガス発電によるエネルギーの地産地消で災害に強い町づくりを目指している。

集会は国際協同組合デーの7月4日に開かれた。新型コロナウイルスの感染を防ぐため、インターネットで実施した。 今年の世界共通スローガンは「協同組合の力で気候変動に立ち向かおう―アイデンティティとSDGs(国連の持続可能な開発目標)への貢献」。JAをはじめ、日本生活協同組合や漁協などが取り組みを報告した。

JAの國井浩樹組合長らは「バイオガス発電による再生可能エネルギー循環型農業への取組み」と題して発表した。家畜ふん尿をバイオガスプラントで処理して得られる電力エネルギーで、自立分散供給システムを構築。エネルギーの地産地消に取り組む。

プラント設置は、酪農・畜産の規模拡大が進み、ふん尿処理の労働負担増、臭いや地下水汚染など、環境への影響が懸念されたことがきっかけ。

JAは大規模酪農が多いことから生産者個々にプラントを設置する「個別型」を推進した。士幌町が2003~04年に3戸3基のモデル実証施設を設置。12年からJAが資産取得してリースする方式で導入を後押しし、4戸が4基を導入。その後、大規模牧場で消化液の広域利用を進めようと、貯留槽をサテライト化したもの、複数戸で運営する「共同型」など、これまで12基のプラントが稼働する。

15年から生産した電力をJAの事務所やAコープ、農産物の共同施設や加工施設で活用。18年から太陽光発電5基も設置し、一般家庭への小売りも開始した。現在、太陽光発電施設を町内全域に広げるなど、町と連携し再生可能エネルギーで市街地全体の教育・福祉・生産の各産業を賄う「マイクログリット」構想を検討している。

國井組合長は「素晴らしい環境の下で酪農をすることは、担い手の確保にもなる。再生可能エネルギーの地産地消は気候変動でも事業継続できる足腰の強い産地づくりにもなり、故太田寛一元組合長ら先人が目指してきた『農村ユートピア』実現につながる取り組み」と述べた。

2020/ 08/ 13(木) 日本農業新聞 朝刊 ワイド1北海道