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馬→きのこ→小麦 循環農業を推進 生産者らと協議会設立

2017.09.01

十勝管内音更町の畑作農家、三浦尚史さん(47)は、地域資源を活用した循環農業を進めている。小麦栽培の土づくりに、きのこ農家が使った培地を活用、収穫した小麦をパン店が目玉商品として販売する。きのこ培地の原料は、地元の帯広競馬場で出た馬ふん堆肥。三浦さんは、地域循環に関係する生産者らと協議会を設立、十勝地域の産業をPRする。

三浦さんは99ヘクタールで畑作を経営する。このうち、パン向け小麦「キタノカオリ」を10ヘクタール栽培。4ヘクタールで帯広市の鎌田きのこから出る、使用済み培地を年間50トン、堆肥として使い、土づくりに役立てている。鎌田きのこは、きのこの生産・販売を手掛け、マッシュルーム栽培に馬ふん堆肥を原料にした培地を活用し、「とかちマッシュ」のブランドで販売する。

馬ふん堆肥でつくった培地は、栄養と発酵に優れており、高品質の小麦を生産できるという。近くには世界で唯一、ばんえい競馬(ばんえい十勝)が開かれる帯広競馬場があり、馬ふんが豊富に手に入る。馬房の敷料には、三浦さんが育てた小麦の麦稈(ばっかん)も使っている。

「キタノカオリ」は、同市のアグリシステムが製粉し、パン店の満寿屋商店が、鎌田きのこのマッシュルームを使った「うまっしゅパン」やチーズ入りバケットを開発販売する。

満寿屋商店の杉山雅則社長は「この地域でしか作れないパンにこだわっている。食だけでなく、馬の文化のPRにもなる」と語る。

循環型農業を定着させ、十勝の食材や文化をPRするため、三浦さんと満寿屋商店、鎌田きのこ、アグリシステム、ばんえい十勝の5者は4月、「ばん馬toきのこto小麦の環(わ)」を設立した。農業を身近に感じてもらえるよう、食育活動にも取り組む。

代表には三浦さんが就任した。「農業への理解を深めてもらうには、情報発信を工夫しなければならない。循環の仕組みや、それぞれの産業の物語を通じ、魅力を伝えたい」と語る。

掲載日:2017/07/24(月) 掲載元:日本農業新聞 掲載面:ワイド2北海道