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農泊は地域ぐるみで 訪日客受け入れ議論 道と農水省がシンポ

2017.10.24

道と農水省は8月31日、農山漁村で外国人旅行客らを受け入れる方策を探るシンポジウムを札幌市で開いた。受け入れの推進には、旅行客の思い出に残る地域資源の特定や、地域が主導するワンストップの窓口が必要なことを確認した。行政や関係業者など約200人が参加した。

北海道大学観光学高等研究センター特任教授の木村宏氏は、農山漁村の伝統的な生活体験や、地元の人との交流をする「農泊」について基調講演した。

木村氏は、農泊の情報発信や体験メニューづくりは、家族経営など単独の運営では限界があると指摘。地域で補完し合う体制をつくる必要があるとした。農泊に関する窓口を道の駅が担うことも提案した。

各地で訪日外国人を受け入れているパネリストらは、農泊の受け入れ体制づくりや地域資源の磨き方について議論した。

渡島管内七飯町で観光客の受け入れに携わる宮本英樹氏は、代表を務める大沼流山牧場での経験を紹介。当初は自分にしかない資源を見つけようと苦心したが、「共通言語はないかと思い、みんなが楽しんで知っている乗馬をうまく使えないかと考えた」とした。

地域に個人客を呼び込むため、インターネットへの写真の投稿に力を入れていることも紹介。珍しい農産物や動物など、目を引くものを選び発信を進めていると述べた。

石川県の春蘭の里実行委員会の多田喜一郎会長は、地域住民を減らさないよう、月収40万円以上の確保を目指して農家民宿に取り組んだことを紹介。滋賀県のJAおうみ冨士食育園芸部の川端均部長は、直売所「おうみんち」を核に、地域を通過する人の滞在時間を伸ばす方針で活動していると述べた。

外国人向けに農山漁村へのツアーを提供する北海道宝島旅行社の本間友紀氏は、旅行客が現地住民の暮らしや文化に興味を持っていると指摘。もち米農家を訪ね食事を共にするツアーなどを例に、思い出を残せる旅行が好評だと話した。

掲載日:2017/09/01(金) 掲載元:日本農業新聞 掲載面:ワイド1北海道