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エネルギー域内循環実現 電力の地産地消めざす ふん尿でバイオガス発電/鶴居村・JAくしろ丹頂など

2018.02.22

釧路管内の鶴居村などは再生可能エネルギーによる電力の地産地消を目指し、村の新たな仕組みを構築する。半導体などを手掛けるアドバンテック(東京都千代田区)のパートナー企業・クールアース(同)が同村と連携。家畜ふん尿を原料にするバイオガス発電を2018年10月に本格稼働させる。

同村の一般家庭約160世帯分の年間消費量に相当する電力を賄う考え。同規模の発電施設2基の増設と太陽光発電施設を合わせると村内で必要な家庭・事業用電力の全ての需要を満たす計算だ。

建設中のバイオガスプラントは村内の公共牧場の跡地、約4ヘクタールを活用した。20戸の酪農家を対象に、発電出力は約500キロワット時、年間予想発電量は約3940メガワット時を目指す。1日当たり、乳牛約1800頭分のふん尿を処理する。原料の収集やメタンガス発生後に残る消化液の運搬などはJAくしろ丹頂や同村などが出資する鶴居クリーンエナジーが運営・管理する。

10年以内に同プラントを2カ所で建設する。発電開始は未定だが、3基が本格稼働すると、村内の酪農家約70戸、乳牛約1万数千頭が排出する家畜ふん尿の再利用が実現する。

国内でもあまり例のないという取り組みに同JAの武藤清隆組合長は「電力の自給自足に加え、家畜ふん尿の適正処理で生産規模拡大の可能性が広がる」と語り、発酵熱の産業利用や消化液などの活用で「低コスト、環境に優しい生産体系が整い、牛乳の差別化にもつながる」と期待を寄せる。

また、アドバンテックが建設中の太陽光発電施設は18年3月に稼働する。発電中の施設を加えると年間6750キロワット時の電力を作る。

この太陽光発電にバイオガス発電を加えた年間の総発電量は2万3000メガワット時。これは同村の電力総需要の全てをカバーし、このことで再生可能エネルギーの域内循環が実現する。

同村企画財政課の井上政志室長は「環境に優しい生産環境の創出と魅力ある村をPRしたい」と話す。

掲載日:2018/01/19(金) 掲載元:日本農業新聞 掲載面:ワイド2北海道