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“栄養士の卵”食で歴史/札幌保健医療大学生伝統野菜栽培を実践

2018.08.31

 札幌保健医療大学(札幌市)の栄養学科に通う学生らが、明治初期から札幌で作られていた伝統野菜の栽培に取り組んでいる。管理栄養士を目指す中で、伝統野菜を通じて地場産作物の大切さを学び、地産地消を実践することで本物の食の知識を肌で知ってもらうのが狙い。6月にはトウモロコシ「札幌八行」の種まきをした。秋の学園祭には学生らがレシピを考案し、料理を振る舞う計画だ。

 栽培する伝統野菜は「札幌八行」の他、消費者の間でも人気が高まっているタマネギ「札幌黄」と、エダマメ「サッポロミドリ」、キャベツ「札幌大球」。伝統野菜以外にもレッドビートとバレイショ「インカのめざめ」「シャドークイーン」「ノーザンルビー」「キタアカリ」4品種を作付けした。

 指導する百々瀬いづみ准教授は栽培・収穫するだけでなく、加工して提供するまでの過程にポイントを置く。「伝統野菜を知るだけでなく、一連の流れの中で地元の食文化をトータルに学んでほしい」と期待する。

 栄養学科は昨年、同大学に新設された。伝統野菜の栽培は2年目の取り組み。学生たちは週に1回、大学に隣接する約1000平方メートルの専用畑に自主的に通い、収穫まで作業を続ける。

 トウモロコシの種まきには22人の学生のうち16人が参加。「札幌八行」の中には、昨年収穫して採種したものも含まれていた。百々瀬准教授は「種を後輩たちに託して、次の世代につないでいくことも農を考える貴重な体験となる」と話す。

 畑仕事が大好きという札幌市出身の田伏加奈さん(19)は「伝統野菜の存在を多くの人たちに知ってほしい。秋にはそれらを使った商品開発にもチャレンジしたい」と意気込みを語る。

 作業を手伝う安彦裕実助手も「管理栄養士は食のプロとして見られる。食べ物の成り立ちから学ぶ意義は大きい」と強調する。

掲載日:2018/07/05(木) 掲載元:日本農業新聞 掲載面:ワイド2北海道