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復興の証し和牛根付く 北海道南西沖地震から25年生産続けブランド化 担い手育成も 「おくしり和牛」

2018.08.31

 桧山管内・奥尻島にある海老原牧場が生産するブランド牛「おくしり和牛」が、人気を集めている。大きな被害をもたらした北海道南西沖地震から25年。農業復興に向けた地道な取り組みが実を結んだ。同牧場社長の海老原浩さん(57)が、地域の農業者の和牛生産の相談に乗るなど、貴重な同島農業の担い手として、復興後の農業をけん引する。

 同牧場では、黒毛和種の繁殖牛54頭、肥育牛10頭を育てる。その他に、アスパラガス0.5ヘクタールや米2.3ヘクタールを栽培する。黒毛和種は、海老原さんが社長就任後、導入した。

 「おくしり和牛」は、島内の年1回のイベント「なべつるまつり」で販売。函館市の焼き肉レストランでも提供する。海老原社長は「海に囲まれているため、牧草のミネラルが豊富。牛肉は軟らかくて甘味があるのが特徴で、評価も高い」と話す。

 震災後、島の人口は減少を続ける。震災時には約30戸いた農家が、現在は15戸まで減った。海老原社長は「震災後、人口が減少しているのは寂しい。より良い和牛を生産するとともに、農家に助言するなどして地域に育て方を伝えていきたい」と意気込む。子ども2人も後継者になる意志を持っており、期待を寄せる。繁殖牛54頭を数年間で約70頭まで増やす方針だ。

 地元のJA新はこだて奥尻事業所は「離島は、輸送費で肥料など資材価格がかさんでしまうことが課題。注文の際に工夫して、価格を少しでも下げられるよう努力を続けたい」とする。

掲載日:2018/07/24(火) 掲載元:日本農業新聞 掲載面:ワイド1北海道