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頑張れ! アスリート 「食の力」が支えます +(プラス)発想力で販促

2016.12.22

スポーツの秋。アスリートを身体の内側から支えようと、各メーカーが加工食品の売り込みに力を入れている。北海道産小豆を使ったようかんや、卵白を使ったプロテイン飲料など、国産原料に新たな発想をプラス。機能性を生かして若年層への販路開拓を狙う。また、腹持ちの良さからご飯が脚光を浴び、米産地も消費のPRに拍車を掛ける。

ランナー 片手で栄養 ようかん+補給

10月30日、3万人が参加した「大阪マラソン」の23キロ地点。補給食の台に珍しいようかんが並んだ。長さ約12センチの棒状で、袋を破らず片手で押し出すだけで中身が飛び出す。塩入りで甘さ控えめだが、味は食べ慣れた和菓子そのもの。地点を通過するランナーが続々と手を伸ばし、用意した1万食はわずか1時間ほどでなくなった。

井村屋(津市)が手掛ける「スポーツようかんプラス」(1本108円)は1本(60グラム)113キロカロリーで、走りながらご飯1杯分のエネルギーと塩分が取れる。昨年から同マラソンのスポンサーになり、無料で提供する。大会前日、前々日にも大会会場で販売したが、昨年を4割上回る2500箱(1箱5本入り)を売り切った。

2014年に発売以降、売り上げは右肩上がり。通信販売やスポーツ店、マラソン大会などのイベントで需要の裾野を広げてきた。

同社は小豆商品の老舗。北海道産小豆を原料に、和菓子のイメージを崩さない栄養補助食品を作った。「喉越しの良さや、日本人が食べ慣れた味で栄養補給できるのが支持されている」(関西支店)と分析する。

ようかんを食べる世代は60代以上が中心。お茶請けの代表格と若年層との接点がスポーツだった。同社は「自然な素材にこだわり、アスリート専用とすることから、幅広い世代に浸透させたい」(同)と期待する。

子どもスポーツ振興 米+寄付

子どもたちの元気な「お代わり」に応えるため、米産地も知恵を絞る。ホクレンはブランド米に値頃感を加えた「スポーツ応援米」を販売。育ち盛りの子どもに果たすご飯の役割をPRしながら、北海道体育協会(道体協)と連携し、スポーツ振興にも役立てる。

応援米は、北海道産「ゆめぴりか」と「ふっくりんこ」を1対1でブレンド。10月中旬から販売が始まった16年産米は5キロ2025円(参考小売価格・税別)。「ゆめぴりか」より2割安く、子育て世帯の家計も応援する。売り上げ1キロに付き、1円が道体協に寄付される仕組み。コープさっぽろ(札幌市)と、ホクレンショップなどで販売する。

11年11月から、道内の子どもたちを支援する事業で始めた。今年3~8月の販売数量は644トンで寄付額は64万円に上り、直近3年間で最も多かった。今年8月までの累計寄付額は850万円に達した。

「催しを重ねる度に、応援米の認知度は高まっている」(ホクレンパールライス販売課)という。事業の一環で、道体協は12年度から、プロのスポーツ選手と触れ合うイベントを開いている。今年度は来年2月に実施する予定だ。

ホクレンは運動と食の密接な関係を参加者にアピールする。10月の「体育の日」に道体協が開いたスポーツ体験イベントにも出展。親子連れに応援米を振る舞い、腹持ちや食味の良さを発信した。「子どもたちに幼い頃から運動とご飯を食べる習慣を浸透させたい」(同課)と、意義を強調する。

“筋肉女子”に飲みやすく 飲料+卵白

キユーピー(東京都渋谷区)は10月から、“スポーツ女子”に照準を絞ったプロテイン飲料「ルミラン」(参考小売価格270円)を全国で発売した。マヨネーズの大手メーカーが卵白の機能性に着目。1本(200ミリリットル)当たり鶏卵2.5個分に相当するたんぱく質8グラムが含まれる。飲みやすさを強みに、全国のスポーツクラブで話題を呼んでいる。

商品はヨーグルトのような甘酸っぱい味で、滑らかな口当たり。ピンク色の紙パックに「脂肪ゼロ、コレステロールゼロ」とうたい、女性が手に取りやすくした。販売拠点にも特徴を出し、6社のスポーツ施設・約50店舗の売店で扱う。

「卵白には脂質がほとんどなく、たんぱく質だけを効率良く摂取できる」と同社。筋力トレーニングに興味を持つ女性が増える一方で、鶏卵はそのまま飲むときの生臭さが敬遠されてきた。

そこで同社は乳酸発酵技術を独自開発して飲みやすさを追求。栄養を維持したまま、酸味を持った飲料加工に成功した。同社は「女性ユーザーから好評で、手応えは十分。来春までに販売拠点を200に増やしたい」と意欲的だ。

掲載日:2016/11/07(月) 掲載元:日本農業新聞 掲載面:中面 総合・経済