組織概要
JA(農業協同組合)とは
JAとは、日本の農業協同組合(農協)の英語「Japan Agricultural Co-operatives」の頭文字をとったものです。
JAの正式名称が「農業協同組合」であるように、農業者が相互扶助(そうごふじょ)の精神に基づき農家の営農と生活を守り高め、より良い地域社会を築くことを目的に、農業協同組合法(農協法)に基づき自主的に設立する協同組合です。
JAは、昭和22年の農業協同組合法の制定に基づき、全国的に成立していきました。この農協法の第1条に「農業生産力の増進及び農業者の経済的社会的地位の向上を図り、もって国民経済の発展に寄与することを目的とする。」とあり、JAの目的を表しています。
この目的のために、営農や生活の指導をするほか、生産資材・生活資材の共同購入や農畜産物の共同販売、貯金の受け入れや万が一に備える共済、農業生産資金や生活資金の貸し付け、農業生産や生活に必要な共同利用施設の設置等の事業をJAは行っています。
JAは農協のニックネーム
JA(ジェイエー)という名前は、「農業協同組合」の英語表記の頭文字をとってつけられたニックネームです。
シンボルマークは緑のアルファベットのJとAを組み合わせたデザインで、どっしりとした大地と人と人のきずなのイメージを表したものです。
それまでの農業協同組合のマークは稲穂のデザインでしたが、平成4年より農家だけではなく、みなさんといっしょに地域のくらしづくりをしていこうと、親しみやすい呼び名とマークを使うことになりました。
正組合員と准組合員
JAの組合員資格には、正組合員と准組合員があり正組合員は農業者等が条件です。正組合員資格として、耕作面積や農業従事日数など各JAの定款でその基準を定めています。
准組合員は、農業者でない人でも正組合員と同様に各JAで定めた加入手続きに従い、出資金をJAに預けることで准組合員として加入できます。
准組合員はJAの事業を正組合員と同じように利用できますが、総会での議決権や役員の選挙権などJAの運営には関与することはできません。これは、JAの農業者以外による支配を規制する仕組みとなっており、漁業協同組合にもありますが、他の協同組合では見られない制度となっています。
JAの主な事業について
JAは、正組合員の農業経営に生活が密接に結びついているため、正組合員のニーズに応じ様々な事業を実施しています。農業者は、農業生産に必要な肥料や農薬等の資材を共同で購入したり、農畜産物を共同で販売したりする他、貯金、貸出などの信用事業や、生命、建物、自動車等の万が一の際を保障する共済事業、日々の生活に必要な食料や燃料の提供など幅広い事業を展開しています。
市町村によっては、金融店舗やガソリンスタンドがJAしかないところもあり、持続可能な地域社会を目指し、JAが地域のライフラインの役割を果たしているところもあります。
指導事業
営農・生活指導などを指導事業と呼んでいます。指導事業は、営農指導と生活指導の2つに分けられ、組合員の営農や生活がより効果的・効率的に行われることを目的にしています。販売・購買・信用・共済などの各事業と連携し、JA事業の根幹となるものです。
営農指導事業
営農指導は、正組合員の営農技術指導を行うだけではなく農業経営全般について指導し、持続可能で安定的な農業経営が確立することを目的として事業を行っています。
正組合員が営農に取り組む際には、資金の借り入れ、資材の購入、生産・出荷など、JAの各事業に関わることになります。営農指導事業では、JAが取り組むさまざまな事業と組合員の営農をスムーズに行くよう結びつけています。
生活指導事業
生活指導は、組合員の生活活動全般について指導するだけではなく、地域社会の生活改善と向上をはかっており、食農教育、都市農村交流、高齢者生活支援などの事業を実施しています。
販売事業
販売事業は、組合員が生産した農畜産物等を販売する事業であり、組合員がより高い農業収入をあげることを目的としています。
JAがどのように有利販売するかによって、組合員の所得を高めることになるため、JAの事業においてもっとも重要な事業の一つです。
市場等での有利販売、消費者ニーズを踏まえた計画的な生産・販売を行うため、農産物の数量をまとめたり、一定レベルの品質に保ちながら安定供給を図る共同販売(共販)を行うこともあります。
共同販売は、一定期間に組合員が出荷した同品質の農畜産物の価格を、その期間の平均価格で精算することで組合員が出荷時期や市場による価格の変動に影響されず、安定した経営を行うことができます。
この共同販売は、JAが行う特徴的な販売方法の一つです。
共同販売の他、多様な販売としてJAが直接スーパーや量販店、外食産業などに直接販売したり、農産物直売所や店舗を設置しての販売も行われています。
購買事業
肥料や農薬など農業生産に必要な資材と生活に必要な物資を共同購入し、それを組合員に供給する事業です。組合員から予約注文を基本とし、計画的に大量に購入することで安い価格で仕入れを行い、流通経費を節約して組合員に安く安全で品質のよい品物を、安定的に供給することを目的としています。
購買事業は大きく2つに分けることができ、肥料、農薬、飼料、燃料、農機具等、組合員の営農活動に必要な品目の供給を行う生産資材購買です。
もうひとつは、食品、日用雑貨用品、耐久消費財等、組合員の生活に必要な品目を供給する生活資材購買です。
購買事業の目的達成のため、JAグループ北海道では、各単位JAとホクレンとJA全農によってそれぞれの段階での機能・役割分担を行い、より効率的な事業運営を行っています。また、JAグループが一体となって、自ら生産して組合員に供給することもあります。
購買事業の取り扱い品目は、多岐にわたり、特に生活関係の取り扱いではプロパンガスなども取り扱っています。
信用事業
信用事業は、組合員をはじめ地域の利用者から貯金を預かり、それを原資として組合員などに貸出しを行うといった相互金融によって営農と生活の向上を図ることを目的としています。
JAの金融サービスは組合員等の状況に応じ、農業に関する施設、農業機械への投資や住宅ローン、マイカーローンなど各種ローンのほか、資産運用などの相談にも応じています。
JA・JA北海道信連・農林中央金庫(以下、農林中金)により構成された「JAバンク」は一体的に事業運営を行い、各種金融サービスを行っています。
共済事業
共済事業は相互扶助を事業理念として、組合員・利用者と共済契約を締結することによって、「ひと・いえ・くるまの総合保障」(生命と損害の両分野の保障)を提供しています。
JAとJA共済連は、共同で共済契約を締結しており、JAでは、JA共済の窓口として組合員・利用者の各種手続きを行い、JA共済連は、各種の企画、仕組開発、資金運用、支払共済金に係る準備金の積み立てなどを行いながら、一体となって保障を提供しています。
JAを通じて契約者からお預りした掛金は、事故(死亡共済金、自然災害共済金、対人賠償共済金など)や満期のお支払いに備え、適切に運用・管理されています。
JA共済では、こうした保障の提供だけでなく、交通事故対策や災害救援・復興支援、健康増進など、JAならではのさまざまな地域貢献活動にも積極的に取り組み、地域の皆さまが豊かで安心して暮らすことができる地域社会づくりに努めています。
JAグループの組織図
北海道内には全道一円に98の会員総合JA(令和5年度4月現在、JA北海道中央会会員)があり、北海道の農業を支える組合員の営農や生活をサポートしています。(道内JA一覧についてはリンク集を参照願います)
JAは様々な事業を総合的に行っていますが、それぞれの事業を効率的・効果的にすすめていくため、指導・経済・信用・共済などの事業ごとに、連合会等を組織しています。こうして形づくられた系統組織は「JAグループ」として連携した活動を行っています。
※JA北海道中央会会員数。
JAグループ北海道 組合員数と主要事業高
令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | |
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会員総合JA数 | 105JA | 105JA | 100JA | 100JA |
正組合員戸数 | 43,089戸 | 41,402戸 | 40,485戸 | 39,359戸 |
組合員数 | 345,738人 | 341,728人 | 337,583人 | 327,835人 |
正組合員数 | 61,022人 | 59,097人 | 57,951人 | 56,613人 |
准組合員数 | 284,716人 | 282,631人 | 279,632人 | 271,222人 |
貯金 | 3兆5,258億円 | 3兆6,382億円 | 3兆7,065億円 | 3兆7,374億円 |
貸出金 | 7,743億円 | 7,688億円 | 7,703億円 | 7,827億円 |
共済保有高(保障) | 6兆7,444億円 | 6兆6,100億円 | 6兆4,790億円 | 6兆3,958億円 |
販売支払高(農畜産物) | 1兆663億円 | 1兆843億円 | 1兆923億円 | 1兆754億円 |
購買品供給高(生産資材等) | 4,968億円 | 4,785億円 | 4,354億円 | 5,610億円 |
注)数値はJA北海道中央会調べ
※JAにいかっぷ、JAしずない、JAひだか東は、令和2年1月の信用事業譲渡に伴い、会員総合JA数より除いております。