03種まきと苗の移植
北海道もいよいよ本格的な野菜づくりの季節となりました。今回は種まきと苗の移植のポイントを中心に紹介します。
前回は石灰を施し、畑の耕起とやわらかな畑にするまでを紹介しました。
肥料のやり方
- 市販されている堆肥は1㎡当たり2~3kg、化成肥料(野菜用)100~200gを入れてクワなどですき込み、土とよく混ぜます。
- 野菜ごとの施肥基準がありますが、市販の野菜共通の化成肥料を使うと便利です。
- 肥料袋に肥料成分や施肥量が記入されていますので、確かめましょう。
- 種子や苗に肥料が直接ふれると発芽が悪くなったり、根が傷んだりして、生育が悪くなりますので、土によく混ぜることが大切です。
- 施肥方法 …いろんな方法がありますが、家庭菜園においては作物毎に植えるスペース全体に肥料をまき、土とよく混ぜる全面施肥方法がより安全です。
種まき
土を細く砕き、表面を平らにすることが大切です。
種をまく方法
『すじまき』…畝に同じ間隔ですじ上にまく方法です。ホウレンソウ、こまつな、春菊、にんじん、カブ等に行います。
狭い株間で栽培する野菜に適用されます。
『点まき』…畝に同じ間隔に数粒づつまく方法です。トウモロコシ、ダイコン、ハクサイ、豆類などに行います。
土をかぶす「覆土」
一般的には0.5~1.0cm位、覆土し、土を軽くおさえ、種と土を密着させることが大切です。密着しないと乾燥により発芽不良の原因となります。
※にんじん、レタス、サラダ菜は光を好む作物ですので、うす目に覆土しましょう。
ベタがけトンネルの効果
光、温度、湿度が必要です。ベタがけの資材(不織布)や寒冷紗をトンネルがけすると効果があります。
※不織布や寒冷紗は上から水やりができ、通気性もよく保温効果があり、鳥や害虫を防ぐことができます。
※寒冷紗はトンネルがけ、不織布はベタがけに用いるのが一般的です。
水をまく
ジョウロで表の土が流れないようにたっぷり水をやりましょう。
※土壌表面に枯れ草等を薄く(光が通る程度)かぶせておくと、土壌水分が保持され、水をまく時も土が流される心配が少ないです。
種まき後の管理
土が乾燥すると発芽がうまくできなくなりますので、発芽までよく観察し水やりをしましょう。
プランター栽培
ベランダや家の中で手軽に野菜栽培を楽しみましょう。
- パセリ、ホウレンソウ、こまつな、ダイコン菜、サラダ菜等が比較的に簡単ですが、基本的にどんな野菜でも栽培可能です。
- トマト等支柱の必要な野菜は風に弱いので防風対策が必要です。
- プランターの置き場所 日あたりと風通しのよいところが適しています。
- 土は、市販の肥料入りの培養土を利用しましょう。
種まき…土の表面を平らにし、種を「すじまき」して、種がかくれる程度に土をかぶせ、表面を軽く押さえましょう。
水やり…プランターの底から水が出るくらいたっぷりと水をやります。
※この場合、土が流れ、種が表に出ないようにジョウロでやさしく水やりをしましょう。
水やりのあとは、ヌレ新聞などで表面を覆い、発芽するまで乾燥を防ぐようにしましょう。
苗の植付け(移植)
移植の時期
※北海道の場合はゴールデンウィーク明けでも、おそ霜による苗の被害や地温が低く、苗の育ちが
悪くなりますので地温が充分上がり、暖かい時期(5月下旬~6月上旬頃)に移植すると安全です。
※少し早く(5月中旬頃)移植したい場合は、ビニール等で土を覆うマルチング栽培方法があります。
地温や土壌水分を保ち、雑草を抑えるためにマルチング栽培が多くとられています。
マルチング(ポリエチレンフィルムで土を覆う)
一般的には黒マルチかグリーンマルチがよいでしょう。
マルチングの方法
マルチのタイミングが極めて大事です。(土壌水分のある時に実施する)
移植の1週間位前に地表面に敷き、地温を上げておくことが大切です。
植付け(移植)
- 移植の前にポット苗にたっぷり水をやる。この場合冷水をやると根の生長に悪いので水温に気をつけましょう。
- この場合あらかじめ桶等に水をため、水温をあげてからかん水するか、ポット苗のまま桶につけて充分水分を吸い上げさせてから移植しましょう。
- 植付け箇所のビニールマルチに10cm前後の穴を開けるか、またはカッターナイフで十字に切り込みを入れた後、移植ごてで穴を掘る。
- 水をすわせた苗をポットから静かにぬき、土をくずさないよう、穴に入れ、まわりの土をいれ、両手で苗のふちをしずかに押さえ土と根を密着させます。
- ポリ袋をかける
定植後、活着(新しい根が出て養水分の吸収をはじめる)するまでは保温と防風対策が極めて大事です。
ポリ袋か肥料袋で風よけをする方法もよいでしょう。 - 主柱を立てる
トマト、キュウリ、いんげんは主柱を立てましょう。
市販の竹かイボ支柱(1.8m)が使われています。(ナス、ピーマン、シシトウなどは80cm位)
一般的には各株のわきに斜めに立てる合掌式の主柱を立てましょう。
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